父に恐る恐る冒険家になりたいと伝えた時のこと

父はいわゆるエリートだ。
父は否定するかもしれないが、俗に言う社会的成功者ってやつ。
厳しい社会を生き抜き、一流企業の生存競争を生き抜いてきたのが僕の父。
そんな父の息子である僕は大学まで通わせてもらった。

そして僕は人生かけて挑戦したいことを見つけた。
同時に大学に通う意味についての迷いを抱く。

「親父、実は俺…冒険したいんだ…
大学行く意味あるのかな?」

恐る恐る想いを告げた。
親父とは正反対の破天荒な人生。
そんな道を歩みたいと告げたらどう思われるか。
僕は怖かった。

しかし父の言葉に生まれて初めて親の無償の愛を感じたのだった。

親の無償の愛と応援

僕は初めて父に強い想いを告げた。
2019年7月末のことである。

アラスカンボーイ
実はやりたいことがある。もうすぐアラスカに行くけど、期待も不安もある。正直自分なら絶対やれる!って言い張る自信もない。でもこんなに充実した気持ちも初めて。どうなるかわからないけど“冒険”という世界で生きてみたい。今は機械工学科の学生としてエンジニアになるための勉強をしてる。でも俺はその世界じゃ自分の人生に納得できない。プロって何なのか、わからない。でも俺は冒険をもっと知りたい。ここまで進学を援助してくれて申し訳ないけど、大学を辞めたって構わない。

みたいな感じで伝えたのを今でも覚えてる。

僕の予想していた父の返事は以下のようであった。

  • 何のために大学まで入れたんだ。現実的じゃない!
  • わかった。でも大卒のキャリアを活かさない未来を歩むと決めたのなら、大金を払うのはばかばかしい。今から覚悟決めて働け!

みたいな返事。

個人的には金で苦労するのは構わない。生活苦も覚悟の上。
でもそれ以上に早く、エンジニアになるための勉強に嫌気がさし、有耶無耶に大学生活を送る自分、を卒業したかった。

無論、与えられたその環境でガムシャラに頑張れる奴もいる。学業と冒険を両立して。

でも僕にはどうしてもそれがナンセンスに思えた。アルバイトの時間だって大学さえやめれば倍は軽く増やせる。いや、なんなら住み込みで覚悟決めて冒険の軍資金を稼ぐのもいい。

とにかく資金調達の点で一気に有利になれる。そのように考えていた。
大卒に比べて今後の人生の選択肢は狭まるかもしれない。それでも冒険にまっしぐらできるならそれでよかった。

だから
「そういうことなら大学辞めて働け」
と言われても構わなかった。

それに今辞めたら後期の学費もかからないかもしれない。覚悟を決めるなら早い方がいい。とも考えていた。

だから父には働けと言われても構わなかったのだ。

しかし父の言葉は違った。

まず僕が人生で本気でやりたいことを見つけたことを喜んでくれた。
しかし、厳しい道であることを落ち着いて話してくれた。
そして後にわかったことだが、その日の会話の後、僕の尊敬している人の1人である冒険家の阿部雅龍さんについても調べてくれたらしい。

そして、こう語った。

まだ人生初の冒険の舞台も経験してない奴が何を偉そうに覚悟決めてる。アラスカを走りながらゆっくり考えたらいい。どうせ大自然の中1人で走ってばっかだろ?ゆっくり自分を見つめろ。

僕は初めて親の無償の愛を感じた。
いや、勿論21歳まで育つのに親の愛はたくさん感じているはずである。
言語化が難しい。皆様に頑張って伝えたい。

少し余談を聞いてください。

僕は幼い頃からいろいろなことに挑戦してきた。
川遊び、キャンプ、自転車、卓球、バドミントン、受験などなど。

どんな場面でも必ず親の応援はあったはずである。

しかし、今思えばどことなく当たり前と思っていたかもしれない。

僕は恐らくアラスカ冒険を計画したことで生まれて初めて自分の挑戦したいことを”強く”否定されたのだ。

それは紛れもなく冒険の支援を募ったからであろう。

だから、自分の夢を応援してもらうことが当たり前ではないことを強く感じていた。

そのためだろうか?

素直に落ち着いて話を聞いてくれたことが嬉しかった。

父は
「お前の人生だからゆっくりしっかり考えろ。まずは初の冒険をしてこい。」
と言った。

後期に払う学費を気にして、退学をあせる時ではない。
ゆっくり考えろ。

と僕に自分を見つめる時間をくれたのである。

僕は、父に感謝の気持ちを抱いのと同時に
「自分はこんなに応援してもらえる子供だったのか」
と気づいた。

あまり公にする意味はないかもしれないが…
僕の家族はかなり殴り合いが多かった。
僕の成長に伴い親を怪我させることも増えてきた。仲はいいのか悪いのかわからない。

正直家庭内うまく行ってない期間だってかなりあったと思う。
家庭内暴力に対し僕も特に疑問に思わなかった。
ケンカに弱いやつが悪い。そう思っていた。

ただ勘違いしないでほしい。
親や弟を殴ったりした時は殴られた痛みの何倍も「家族を傷つけた心の痛み」が強かった。
拳に残る嫌な感触はいつまでも僕の心を蝕んだ。

高校生以来、僕の家庭からは暴力がなくなったが、願わくば残りの人生ずっと今のままでありたいと願う。もう昔のような家庭はごめんだ。

そんな青春時代を過ごしたためか。
僕は親からの応援の気持ちとかそういうのが遠い記憶になりつつあった。

中学〜高校時代に親とうまくいかなかったこと。
アラスカ冒険の支援募集で誹謗中傷を受けたこと。
これらの経験があったので、今回の父の言葉に初めて無償の愛と応援を感じたのである。

大地を相手にする者

また父は言った。

大地を相手にする者、心はその何倍も広くあれ。

この一言は永遠のテーマに感じる。

冒険家に最も必要な要素の一つなのでは?
とも感じている。

もしかしたらこれは社会の荒波というサバイバルの中を冒険してきた父だから言えるのかもしれない。

まだまだガキだけど、21歳の僕は誓う。

アラスカンボーイ
大地を相手にする者としてのプライドとそれに負けない大きな慈悲の心を持って生きていきます。

つづきへ

さて長く書いてしまい、すみません。読んでくれてありがとうございました!

次回はアラスカにいる間、将来を見つめ自分を見つめ、自然の中で考えていたことについて話します。よかったらまた次回も読んでください。

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