異世界への訪問。ダルトンハイウェイ走行7日目。

こちらは全7章でお届けする北極海到達チャレンジの第4章です。

初回から順に紹介します。

初回、アンカレッジからフェアバンクスまで。
2章、フェアバンクス→ユーコン川周辺の泥の戦い
3章、走行距離巻き返し→アティガン峠手前まで

別世界への入り口

前回の続きから。

Devと別れたあと僕は、ダルトンハイウェイ最高地点のアティガン峠へとアタックする。

そこは標高約1,500mと数字だけ見ると大したことないが、何しろ北極圏、高緯度にあるために8月とはいえ低温になる。

この辺の平均気温は8月で0〜2度らしい。

平均気温でその数字なのだから、実際はそれより寒いことも十分にあり得る。

だんだんとこれから登る山々が見えてくる。

寒さに強い針葉樹林すらも姿を見せなくなってきている。

樹林ではなく、ポツポツと針葉樹があるくらい。

ほとんどツンドラ。
紅葉が綺麗ですね。
加工したらもっと綺麗になるが、あえて無加工で。
針葉樹がまばらにある。
ところどころ山は地肌を見せている。
気温は一桁。
本当に8月!?笑笑
The North Slope
つまり”北の坂”と呼ばれるエリアに到着。
アラスカには日本で言うところの
“関東地方”、”東北地方”のようなエリア分けがある。
今から走るのが最北のエリア
“ノーススロープ”
世界の森林限界の高度が紹介されている。
僕がこの時立っていたのは他より圧倒的に標高の低い
“2,550feet”
計算すると777mくらい。
アメリカでは高さの単位はfeetが多い。
距離もfeetが使われることがある。

なんという絶景。
谷に流れる川に沿って針葉樹が生えているのが面白い。

より高く成長するということはより栄養が必要ということだろう。水の確保しやすい川沿いに高い木が集まっているのを感じた。

随分と登ってきた。
パイプラインと進んできた道の蛇行が面白い。
写真では伝わらない急勾配。
下ったら楽しそうだな…

カメラじゃなかなかわからないけど、実は雪がぱらつき始めている。

おいおい、8月だぜ?さすがは北極かよ!🤣

このあと、両側の壁が切り立つ岩肌のみえる谷を抜ける。

そこの谷では視界は両側の壁に遮られ、道はカーブしており、先の世界も見えない。

まるでそこだけ別世界への入り口だ。

いや、そこを別世界への入り口だと感じたのは後からである。

そう感じた理由がこれ。

遂に!遂に!針葉樹林はおろか針葉樹すらもなくなった!!!!

ツンドラと山だけの世界!

僕はこれが見たかったのである。

現物を楽しみにするために事前には写真は調べなかった。

文字による調べで

北極圏にはツンドラだけの殺風景なら世界が広がっている。しかしそれは紅葉の季節、つまり8月終わり頃から9月頭くらいのごく短い期間に本当に色鮮やかになる。それは美しい。

という情報を得ていた。僕はここにすごく惹かれていた。

だからこの景色を見たときに

「これだ!!!!」

と思ったのである。

なんだか涙が出てきた。

来れると思っていなかった。

泥の区間で先が見えず、心は折れかけた。

しかしあそこで折れなかったのはきっとアンカレッジからフェアバンクスに至るまでに挫折したからであろう。

一度折れ、立ち直った人間は次はなかなか折れない。

苦しくてもがんばれる。

立ち直らせてくれる温かい人々が日本にもアラスカにもいた。本当に感謝している。

なぜ北極圏へ?なぜ北極海へ?

と現地の人に問われたとき

“For my dream.”

と答えていた。

それを応援してくれた人たちがたくさんいた。

大変おこがましいというか、大変偉そうと言いますか…

みんなの想いものせて一緒にこの景色を見られた気がした。

本当におこがましいけどね笑

まぁ、自己満足としてそんな気分にひたっていた。

とにかくあの感動はすごかったのだ。

アンカレッジからブルックス山脈まで距離は1500km弱を走ってきた。

その間の景色の変化をずーっと見てきたのだ。

スタートからずっと生茂っていた針葉樹が少しずつ少なくなっていく様子を。

スタートしたアンカレッジでは30度を超えていた気温が気づけば1桁に。

そんな少しずつの変化を感じながら走ってきたが、さっきの谷は別格だ。

そこを抜けると急に木が何もなくなったのだから。

僕にはそれがまさに

“別世界への入り口”

に思えたのだ。

本当にあんなに強く感動したのはいつ以来だろうか?

それくらいの刺激だった。

人生において

“これが俺の探してたものだ!!!!”

なんて電撃が走ったような衝撃は何度味わえるのだろうか?

本当に凄まじい感動であった。

クラファンへの感謝

しかしこの景色を見られたのは多くの人の支えがあったから。

本当にありがとうございます。

“みんなの想いを乗せてここまできた!”

なんて本当におこがましい表現であり、逆なのである。

“みんなの応援が僕をここまで連れてきてくれた”

のである。

心の弱い僕が再び北極圏に足を運べたのも

亡くなった友達に誓った当初の夢を完遂しようとがんばれたのも

泥の戦いに勝利できたのも

全部全部僕個人では出来なかったはずだ。

当時、ずっと憧れてきたこの景色を見ながら感じたこと。

それは

“賛否両論あれど人様に形ある支援をお願いして良かった”

ということだった。

心よりそれを思った。

アラスカへの渡米前や、またアラスカに来て間もない頃、僕は大変無責任にも支援を集めたが故に感じるプレッシャーに弱気になっていた。

そのプレッシャーも覚悟で支援を募るのだから、そんな不安に心を支配されるのは無責任である。

しかし、その景色を見た時感じた。

僕が集めていたのは表面上は物資やお金かもしれない。

ただ気がつくと応援してくれた人とのかけがえのない繋がりがそこにあった。

そのことを再認識させられた。

そんなのものは日本にいた時からわかっていたつもりだった。

しかし、実際にプロジェクトに取り組んでから改めて初めて痛感するものがあった。

先程から繰り返すが

“みんなの想いが僕をこの景色まで連れてきてくれた”

のだ。

1人では出来なかったであろうことをさせてくれた。

応援してくれた人は言っていました。

“できないと思ったら撤退する勇気も必要だよ。”

“君がたとえ失敗しても、思うようにできなくても僕らは迷惑しない。挑戦していることが大切。”

そんな神様みたいに僕によくしてくれた彼らがいたから、僕は僕のために夢を叶えよう!って強く思えたのだろう。

僕はいつでも”自分のため”を一番に物事に取り組んでいるが、やはり心温かい彼らとの繋がりはかなり背中を押してくれたと思う。

長くなったけど、クラファンしてよかったです!

本当にありがとうございます!!!

つづきへ

読んでくれてありがとうございます!

自分で選んだ道ながらいろいろ不安や圧力がありました。しかしそれらも含めて心からやって良かったと思えた瞬間でした。

やはり何事も自分でやってみなくてはわかりませんね。

さて次回は本格的にブルックス山脈に突入です!

また読んでくださいね!

第5章 ブルックス山脈の吹雪

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