インタビュー:冬の凍結ユーコン川を歩きたいんですけど、どうしたらいいですか!?

きっかけ

僕はいつか夏秋のユーコン川をカヌーでくだる夢がある。願わくば今の彼女と結婚して、2人でくだりたいものである。実は彼女も体を動かすのは大好きでアウトドアにもアクティブな女の子。まぁ、こんな僕と付き合うくらいだから不思議でもなんでもない。寧ろ自然なことなのかもしれない。

一緒に自転車でしまなみ海道を走る夢も叶えられたし、ユーコン川漂流もきっと叶えられるだろう。

でもその前にやりたいことがある。

僕が高緯度地域に憧れているのはもうずっと話してきたことだ。

前回の夏秋アラスカ自転車旅で1枚のポスターを見つけた。

ユーコンクエストというサバイバル犬ぞりレース。

そのコースは凍結したユーコン川すらも含まれる過酷なルートだ。

大自然を力強く駆け抜ける犬たちの写真に心奪われた。こんなすごいところを旅する、ましてやそこでタイムを競う人(犬)たちがいるのか!って。

その時びびっときたのだ。

僕もやりたい!もしこれをやれたのなら僕は夏秋と冬、両方のユーコン川を知れることになる。

冬のユーコン川を歩いた記憶を懐かしみ当時と比較しながら夏秋のユーコンを川の流れに身を任せてくだっていく。素敵な旅だ。

自分の中に漠然とあった高緯度地域を知りたい!

その欲望と犬ぞりレーサーたちの勇姿が僕にわくわくを与えた。きっかけなんて単純なものだ。

誰かがやってるんだから僕にもできるだろう。

根底でそう思っているから、特に現実的に可能かどうかも調べもしないうちから僕はあんなことこんなことやりたいと発言する。勿論SNSでも。

結果としてSNSを通していろんな意見をもらった。

1人では今ほどの準備計画はできなかったろう。

5月19日時点での準備計画を以下に綴っていく。

マイナス20〜40度、冬の凍結したユーコン川を歩くなんて今の僕にとって果てしない冒険だがきっとやれる。

自転車ってのは無理じゃね???

同じことは書きたくないので、こちら↑を読んで欲しい。3〜5分で読める長さとなっている。

超カンタンにまとめると…

僕は大好きな自転車を冬ユーコンでも使ってみたかった。しかし自転車旅の大先輩から「無理だと思うよ?実現するには僕ならこのような手段を考えるけど難しい挑戦だね。」と言われた。その方は頭ごなしに無理という方ではないからこそ余計に厳しさを感じた。

単純な僕は

「じゃあ、とりあえず1回自転車なしで歩いてクリアしてみよう!」

と考えるわけだ。

一回徒歩で歩く中で現地で何を見つけていきたいのかなどの意義はここでは省かせて頂く。

無理でしょ!って思うことを成し遂げた大学生にきいてみた。

彼がネパールに行っていることは知っていた僕だが、まさかこんな馬鹿げたことをするためにネパールに行っているとは知らなかった。

だってやばいでしょ!?

冬山ってだけでも危険なのに、そこに自転車持っていくんだよ!?

過酷な環境では少しでも荷物減らして望みたいもの。

ましてや急勾配を登っていく雪山登山。

僕の冬のユーコンに自転車もっていこうとするのも、まぁまぁ頭おかしいと自負するところはあるが、標高5000mの豪雪エリアに自転車担ぎ上げていくのはレベルが違う。彼のようなバカなら(褒めています)、どう答えるだろうか?

どうしてそこまでして自転車に拘ったのだろう?

そんな彼なら何か良いヒントや具体的な準備に必要な事柄を教えてくれるかもしれない。

上記で紹介した記事を読んでもらった上で彼に聞いてみた。

アラスカンボーイ
こばたくさん、冬ユーコンのアドバイスが欲しいんです!自転車が使い物にならない状況で見事に冒険を成功させたあなたからみて冬のユーコン川に自転車をもっていくとしたらどう準備し攻略しますか?
こばたく
冬のユーコン川面白そうだね!まず大前提として俺の旅に対する考え方だけ言っておくと、 行きたいと思ったら行く 死んでも自己責任 だと思ってる。 だから行きたいと思ったら行くために調べるし、他人にどう言われようと、行けるためにも、死なないためにも情報収集は怠らないし、それでも死んで諦めるし自己責任。絶対に他人のせいにしちゃいけないししない 。
アラスカンボーイ
はい!絶対人のせいにしたくないし、そんな自分にもなりたくないので、自分でしっかり考えてやれる準備全部します!
こばたく
いいね! さて、本題。現実可能かどうかをアドバイスするとしたら俺では経験足りないかもな…。素人目と今までの経験則からすると氷の上を500kmもソリ引っ張ってチャリに”乗る”のは滑るしそりに引っ張られるしで乗れない要因しかないから難しいんじゃないかと思う。ただ、おれ氷の上をスパイクタイヤで走ったことないんだよね。どうしてもやりたいならそれを実際北海道とかで経験積んで実験して、行けたらチャレンジするのがいいんじゃないかな 。
アラスカンボーイ
ありがとうございます。なるほど…。そもそも雪上の自転車のタイヤが地面に伝える力ではソリは引っ張れない可能性が高いということですね。
こばたく
そうそう、ただでさえ進まないのにそりに引っ張られるし、曲がろうとしても引っ張られてコケると思う。

俺的に

とりあえず行ってみて無理ならそりでチャリごと引く

は経験値足りてない人間がやることだと思う。


どうしてもユーコン川下りなら日本で氷上チャリ(ソリなし)で乗る訓練積んで、もしもはしれたらカナダ行ってチャレンジするべきだし、日本でやってみた結果チャリは無理だとわかった上で、それでもユーコンをどうしても走破したいなら歩いて行くべきだと思うよ。言い方悪かったけど、チャリでそりを引く、は一見どっちも出来そうだけどおれの経験的にはどちらの足も引っ張ってるだけだと思うから死ぬリスク高まると思うし、わからんから現地行ってやってみるっていうのはやっぱり準備不足に写るな。

アラスカンボーイ
ありがとうございます!!!日本でも当然実戦練習を積む予定でしたが、何を意識しながら練習していけばいいかがより鮮明になりました!確かにこのままの計画では無鉄砲すぎると思っていました(汗)
こばたく
いいね!がんばれ! 前例があるか調べるのも大事だと思う。おれは経験則無理って言ってるけど、凍った道をチャリでソリ引いて走った人がいるならやってみる価値は充分あるよね!

こばたくさん!本当にありがとうございます!頑張ります!

氷上を歩く技術面について極地冒険家にきいてみた。

日本での練習、現地での本番も含めて技術的な問題を極地冒険家阿部雅龍さんに伺う。

2020年05月02日オンライン会議アプリzoomを通して色々質問した。またそれより以前にメールを通して質問した内容も織り交ぜて、歩行術を簡単にまとめていく。

アラスカンボーイ
阿部さんよろしくお願いします!氷の薄いところを見定めるのにコツはありますか?氷が割れて冷たい水に落ちてしまうのが1番怖いです。
阿部雅龍さん
氷の薄さってのは経験がないと難しいと思うけど、まず誰でもわかることとして水の流れを考えること。川の流れの速いポイントはどこかな?直流の場合、川の中央程流れは速くなる。曲がっているところではカーブの外側ほど流速が速い。流れが速いところは凍りにくいんだ。だから流れの遅いところを歩くのが1番簡単な方法。
アラスカンボーイ
なるほど!ありがとうございます!確かに水の滞りやすいところの方が凍りやすいのは当たり前ですよね!それじゃあ、海流のある海ですら凍ってしまうような北極、南極がいかに寒いかがわかりますね。
阿部雅龍さん
そうそう。スノーシューで歩く時なんだけど、スノーシューの裏には刃物がついてるから薄い氷の上を歩いたら絶対ダメだよ。割れるから。分厚さに自信がないときは川岸の針葉樹林帯を歩くのもし仕方なし。雪深いから大変だろうけど。因みにカナダからアラスカに流れるユーコンだけど、そのどこを歩くつもりなの?
アラスカンボーイ
今のところDawson CityからCarmacksまでと思ってます。Whitehorseの上流には大型ダムがあるそうなので凍結しにくいかと予想しました。少なくとも Dawson Cityを基点にするつもりです。
阿部雅龍さん
Dawson Cityには僕の友人でホステルを経営してる奴がいてね、後でしょうかいするよ。他にもカヌーレンタルの会社の社長とか知り合いだし。きっと紹介できる人たくさんいるからまたいつでも言ってね。
アラスカンボーイ
さすが世界で活躍する阿部さん!ところで以前ユーコンならスキーでなくてもスノーシューで歩けると思う。と仰ってましたが、阿部さんがスキーで歩かれている北極海や南極よりも難易度が低いからスノーシューでもいいということなんですか?地面との接地面積がスキーほど必要ないということなのでしょうか?その辺がわかってません。
阿部雅龍さん
いや、そうじゃないね。冒険のレベル云々で道具は変えない。スキーとスノーシューの用途の違い。スキーは平面を滑っていく道具で軽い力で平面移動を素早くできるようサポートしてくれる。一方スノーシューはというと、あれは登山なんかで斜面の急な雪の坂を登るためのものなんだよね。僕は下積み時代にカナダにいたこともあるんだけど、当時のことや自分の経験を踏まえてスノーシューでもいいのでは?と感じたんだ。
アラスカンボーイ
そうなんですね!ありがとうございます!どういう理由で僕がスノーシューを用いるのかイメージできました。じゃ、もし氷の斜面を登る機会があればスノーシューでもなくスキーでもなくアイゼンってわけですね。阿部さんは南極行かれたときもかなり高低差あったと思うんですけど、アイゼンとか持っていったんですか?
阿部雅龍さん
その通り、雪の斜面はアイゼンだね。でも僕は南極もスキーだけでやってしまったね。
アラスカンボーイ
へぇ!スキーだけですか。因みにスキーを履いてソリを引っ張りながら下り坂を下るとき、後ろから猛追してくるソリに轢かれてしまうということはありますか?その場合ジグザグに歩いて対処するのですか?
阿部雅龍さん
ソリに轢かれることはあるよ。坂が短ければソリより速く走るし、簡単な方法だとソリにロープを巻いて抵抗を作るのもいいね。僕の場合はスキーできるからスキーで滑ってしまうけど。もし松尾くんも不安なら現地にスキーも持っていけばいいと思うよ。冒険のレベルというのは人それぞれだから人によって難易度も変わるし対応も変わる。たくさんフィールドに出てtry and errorを繰り返すことだね。応援してるよ!頑張って!
アラスカンボーイ
お時間頂きありがとうございました!

ユーコンを歩きたくて

きっかけは「なんとなく」に近い憧れであった。

しかし目標を掲げて、それを口に出し、こうして多くの方からアドバイスをもらえた。

夏秋アラスカ自転車旅に続いて今後のチャレンジも応援してくれること本当にありがたいし幸せなことかと思う。

日本国内で冬山登山や北海道の凍結湖に自転車持っていってみたり…。

その中で何を検証するのか。何をどう意識して氷の上を歩いていくのか。

今回の内容では主に移動における質問にインタビューしていただいた。

しかし、実際には冒険で必要な準備、技術は移動のみではない。

テントの設営、撤収。水の管理、お湯を作ることなど多くの問題がある。

それらの面についてはまた別の方にも協力して知識や経験を教えてもらった。そちらについては今後まとめたいと思う。

今僕はSNSを通して知り合った仲間と「北極トレーニング部」というのを作りそこに参加している。

次の冬、北海道で合同合宿を行う予定である。

それまで僕は筋トレに語学の勉強、なんでも頑張るつもりだ。正直語学の勉強が全然好きでないので継続できるか不安だがやっていくしかない。

筋トレは本格的に再開してから2ヶ月半。

語学の方だってきっと続けられる。僕は頑張る。

今後の国内トレーニングについては冬までまだ時間があるので、またおいおい詳しいことは出すがそれまでは地道な努力を積み重ねたい。

2021年冬に計画していたが、改めて自分の実力を判断し、2021年は国内練習に努めたいと思う。

いや、そもそもコロナによる世界情勢の悪化は劣悪だ。カナダのユーコン準州もユーコン民以外立ち入り禁止だという。

一刻も早い収束を願うばかりだ。

おわり。

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